本尊
大日大聖不動明王

不動尊

不動明王(ふどうみょうおう)は、密教において
重要な仏様であり、古くから日本の文化に深い
影響を与え、信仰をされてきました。
その名の通り、「不動」は「動じない」ことを
意味し、無敵の力をもって煩悩や邪悪を打ち砕き
信仰心を守るとされています。
不動明王は、火炎を背景に立っていることが多く
その姿勢や表情からは強い意志と決意が感じられ
ます。
右手には剣を持ち、左手には縄を持っており、
この剣で煩悩を斬り、縄で邪悪を縛るとされて
います。

本尊の特徴

東光院の不動尊のお身体は青く、直毛の頭髪をきれいにとかして左肩に弁髪(べんぱつ)を垂らし、頭頂には蓮の花を載せています。お顔は両眼を開いてまっすぐ向いています。眼は水晶の板がはめ込まれている玉眼です。牙の向きは牙上下出(がじょうげしゅつ)で、右の牙が上を向き、左の牙は下を向いています。右手に降魔の三鈷剣(ごうまのさんこけん)を持ち、左手に羂索(けんさく/けんじゃく)を握っています。着衣は上半身に条帛(じょうはく)、下半身に裳(も)を身に着けています。

本尊の作者

不動尊像が収められている厨子の裏に覚書が書かれています。そこには、安政3年に5名の施主により、京都の仏師 西尾宥慶が造った不動尊と記されています。
*安政3年(1856年/江戸時代)
また覚書には
生国長州赤間関 大隆寺 覚寶上人 資
安室唐太山寺西方院覚瑞上人大代永之と記されています。

不動明王の3つの真言

密教では「真言」と呼ばれる呪文のような言葉をたくさん唱えます。長い呪文を「陀羅尼(だらに)」と言ったりします。真言は「仏さまの秘密の言葉、聖なる力を秘めた真実の言葉」として、すべてに密教の「真の教え」が含まれています。

一字咒(いちじしゅ)
「のうまく・さんまんだばざらだん・かん」

慈救咒(じゅくしゅ)
「のうまく・さんまんだ・ばざらだん・せんだ・まかろしゃだ・そわたや・うんたらた・かんまん」

火界咒(かかいしゅ)
「のうまく・さらばたたぎゃていびゃく・さらばぼっけいびゃく・さらばたたらた・せんだまかろしゃだ・けんぎゃきぎゃき・さらばびきんなん・うんたらた・かんまん」

真言は声に出して唱えることでご利益が得られます。
心の迷いや欲望や煩悩が取り除かれ、新たな気持ちで前に進めることができると言われています。信じて一心に願い努力することで正しい道へと導いて下さるでしょう。

不動明王の真言の意味は下記です。
「激しい大いなる怒りの姿をされる不動明王よ。
迷いを打ち砕きたまえ。
障りを除きたまえ。
所願を成就せしめたまえ」

不動明王のご利益

厄除け★★★★★
不動明王の剣は、あらゆる邪悪なものを打ち砕くことができることから、厄除けに効果があるとされています。

学業成就/立身出世★★★★★
学力向上や、仕事のスキルアップや成功を願う時に祈願すると、ご利益を得ることができます。

商売繁盛★★★★★
不動明王は古くから商売繁盛にも大いにご利益を与えていらっしゃいます。

身体健全★★★★★
病気平癒・疫病退散・身上安全、自身の身の安全を祈願する事で、健康または病気治癒に効果があるとされています。

煩悩退散★★★★★
人の心を中にある煩悩の数は108あるとされています。煩悩は良からぬ道へと誘います。不動明王に祈願することで、煩悩を断ち切り、悪しき心を燃やし尽くしてくれます。

修行者守護★★★★★
不動明王は仏道を修行する者を常に守護し、障害となるものを滅ぼすとされています。