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静けさの中にあるもの

夏になると、蝉の声が聞こえ、強い日差しが降り注ぎます。

暑さの中では、つい涼しい場所を求めたり、早く一日を終えたいと思ったりするものです。

けれど、少し立ち止まって耳を澄ませてみると、夏には夏の静けさがあります。

蝉の声。
風に揺れる木々の葉。
土の上を歩く小さな生きもの。
夕暮れとともに少しずつ変わっていく空の色。

普段は気にも留めないようなものが、静かにそこにあります。

私たちは日々の暮らしの中で、たくさんのことを考えています。

これからのこと。
仕事のこと。
家族のこと。
人との関係。
自分自身のこと。

頭の中がいっぱいになると、目の前にあるものさえ見えなくなることがあります。

そんなとき、ほんの少しだけ静かな時間を持ってみる。

深く息をして、空を見上げる。
木々の音に耳を澄ませる。
静かに手を合わせる。

それだけでも、心の中に少し余白が生まれることがあります。

祈りとは、何かを強く願うことだけではないのかもしれません。

自分の心を静かに見つめ、今ここにあるものに気づくこと。

そして、自分だけではなく、誰かの幸せを願うこと。

そのような時間もまた、祈りの一つなのだと思います。

お寺という場所も、特別な人だけが訪れる場所ではありません。

嬉しいときも、迷っているときも、悲しいときも。

何も話さず、ただ静かに過ごしたいときにも、ふと思い出していただける場所でありたいと思っています。

東光院一灯庵も、そんな静かな場所の一つでありたいと願っています。

暑い日が続きます。

どうか無理をせず、ご自身の心と身体をいたわりながらお過ごしください。

今日という一日が、穏やかな時間となりますように。

合掌

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